白内障とは
水晶体の一部または全体がさまざまな原因で混濁する疾患です

原因
- 主な原因は加齢です
- ほかに紫外線、喫煙、糖尿病、アトピー性皮膚炎、外傷などが影響します
症状
- 視力低下:ぼやけて見えたり、かすんで見えたりします
- 羞明:通常ではまぶしいと感じない程度の光がまぶしく感じます
予防
- 禁煙する
- 紫外線を防ぐためにサングラスや帽子を着用する
- 糖尿病を治療する
- アトピー性皮膚炎の場合は点眼薬で目の痒みをコントロールしてまぶたをこすらないようにする
- 酸化反応を抑制し白内障を抑える点眼薬を点眼する
治療
- 濁った水晶体を戻す方法はないので手術で濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します
白内障手術の合併症について
白内障手術の合併症の種類
・後嚢破損、核落下:水晶体の袋(後嚢)はもともと非常に薄い組織であり、状態によっては手術中に破れてしまうことがあります。破れた場合、水晶体の破片が眼の奥(硝子体内)に落下することもあります。このような合併症はまれですが、慎重な対処が必要なため手術時間が長くなります。また、より良い結果を得るために、一度手術を終了したうえで、専門の医療施設において破片の摘出や眼内レンズの挿入を行う再手術が必要となる場合があります。
・チン小帯断裂:チン小帯とは、水晶体を360度の方向から支えている糸状の組織です。この組織が一部断裂すると、水晶体の固定が不安定な状態となります。そのまま通常の手術を行うとチン小帯がさらに断裂し、水晶体が部分的または完全に外れてしまう恐れがあるため、特別な器具による処置が必要です。水晶体が外れた場合は袋への眼内レンズ固定ができないため、専門の医師による眼内レンズを眼球内に固定する手術が必要となります。
・駆逐性出血:原因は明らかではありませんが、手術中に眼底の血管が破綻し急激な出血が生じることがあります。出血が硝子体腔に及んだ場合、眼内の組織が眼外に脱出し、最悪の場合は失明に至る可能性もある重篤な合併症です。
・角膜内皮障害:白内障手術では、角膜内皮細胞が傷害されることがあります。角膜内皮細胞はポンプ機能により角膜の透明性を維持する上で不可欠な役割を担っています。角膜内皮細胞は再生能力をほとんど持たないため、細胞密度が著しく低下した場合、ポンプ機能が破綻し、角膜浮腫・混濁をきたす水疱性角膜症へと進行することがあり、角膜移植が必要になることがあります。
・眼内レンズ偏位、脱臼:手術後に眼内レンズの位置がずれたり、外れてしまうことがあります。この場合は、眼内レンズを摘出し、再度眼球内に固定する手術が必要となります。
・術後眼内炎:手術後に細菌感染により眼内に強い炎症が生じる合併症です。まれですが非常に重篤であり、専門の医師による早急な手術が必要です。
以上は合併症の一部であり、他にも様々な合併症が生じる可能性があります。なお、合併症に対して適切な治療が行われた場合に、通常の手術後と同等の視力が得られることも多くありますが、すべての場合に視力の回復が保証されるわけではありません。
☆白内障手術は必ずしも視力が回復することを保証できるものではありません。多くの場合は問題なく手術が終了しますが、合併症は一定の確率で起こりうるものです。合併症が生じた際には、最善の結果が得られるよう迅速かつ適切に対処することを最優先としております。
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズ
- 単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズから選択できます
- 多焦点眼内レンズを使用する場合は選定療養の費用として、眼内レンズの費用をご負担いただきます
単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの比較
| 単焦点眼内レンズ | 多焦点眼内レンズ | |
| 見え方の鮮明さ | 良い | わずかに劣る |
| 眼鏡 | 必要なことが多い | 不要なことが多い |
| 夜間の街灯や車のライトのにじみ | ない | ある |
| 費用 | すべて保険診療 | レンズ費用は自己負担 |
多焦点眼内レンズの種類と費用
| 多焦点眼内レンズの種類 | 多焦点眼内レンズ費用 |
| テクニス オデッセイ | 310.000万円 |
| テクニス オデッセイ トーリック | 330.000万円 |
| テクニス ピュアシー | 310.000万円 |
| テクニス ピュアシー トーリック | 330.000万円 |
多焦点眼内レンズの適応
多焦点眼内レンズが向いていない場合
- 白内障以外の眼疾患が存在し視機能が障害されている場合
- 非常にご高齢で網膜や視神経の機能自体が落ちている可能性がある場合
- 夜間に頻繁に運転をされる方
多焦点眼内レンズが向いている場合
- 見え方のコントラストが多少落ちたり、夜間の光のにじみがあったりしても、できるだけ眼鏡を装用せずに生活することが重要な場合